別居前の、また別居後離婚に至るまでの、他方配偶者が一方的に負担してきた生活費を、離婚に際して請求できるか?
生活費を支払ってくれない配偶者に対して生活費を請求する場合は、他方配偶者は裁判所に婚姻費用請求の調停審判を申し立てることになりますが、通常、「申立月」からの婚姻費用のみ請求が認められることになりますので、その前の時期の生活費は、婚姻費用調停審判手続の中では請求出来ないことになります。
しかしながら、その後の離婚手続において、婚姻費用調停審判の「申立以前に負担していた生活費」について、別居前のものも別居後のものもいずれも、財産分与手続の中で請求することが出来ます。
この点、最高裁判所第3小法廷判決/昭和53年(オ)第706号は、当事者の一方が負担した婚姻期間中の婚姻費用を財産分与において他方当事者に対して支払うよう命じています。